「長良川河口堰問題」を事例として、研究者が具体的な問題に関わる場合に遭遇するいくつ
かの課題を収集、整理し、今後の「研究者」、「市民」、「行政」のより良い関係を築くための新
たな方向性をみつける議論の場とする。
●会場 時間
名古屋女子大学 本館 4F 会議室 10:00時
========== 会議に向けての論点の整理 ==========
1. 経緯
昨年、ダム撤去問題等を契機としリバーポリシーネットワーク (RPN) が作られた。
RPN が目指すものは、狭義のダム問題の解決のみに限るものではない。源流から
海まで、川に関わる全てについて、論理的、科学的対話を促進し、持続可能な河川政
策につながる情報交換の場を作ることを目的としている
情報交換の場として、市民、行政、研究者を集めたネットワークの形成が必要であ
るが、比較的共通な議論の場が持ちやすい研究者の間でも、「研究」と「市民活動」と
の関係の在り方については、研究者の基本的な考え方や専門領域、対象としている
事例、時代、地域の相違により、一様ではない。「行政」との関わりについては、さらに
厄介な金銭に関わる経済的、倫理的な問題が加わる。
RPN は、研究者と、市民・行政の関係の在り方について、固定した一律な関係を強
制するものではない。しかし、対症的に行政と敵対、あるいは妥協する現在の在り方
に満足しているわけではない。
2. 議事の進行案
2-1参加予定者と紹介してもらいたい話題
2-1-1. 研究者から
市野和夫 (愛知大学);
「豊川のダム計画と三河湾の環境保全活動-今までとこれから-」
宇野木早苗 (元東海大学);
「有明海市民・漁民ネットワーク-組織者、研究者としての関与-」
大野正人(日本自然保護協会);
「長良川、吉野川、利根川、川辺川での NACS-J と研究者の関わり」
粕谷志郎 (岐阜大学);
「長良川河口堰問題-行政と戦う立場を貫くことの困難さ-」
西條八束 (名古屋大学名誉教授);
「事業者側と市民側の二つの委員会に属して考えたこと-
利根川、長良川問題を例として-」
田中豊穂 (中京大学);
「長良川裁判の歴史と研究者の関与」、
「長良川研究フォーラムの考え方と運用」
八田耕吉 (名古屋女子大学)
「長良川河口堰問題--」
程木義邦 (北海道大学);
「若い研究者が具体的な環境問題に関ることの意義と難しさ」
山内克典 (岐阜大学);
「長良川河口堰問題-長良川と最も長く付き合った研究者の意見-」
2-1-2. 市民グループから
「各現場で研究者は何をしてきたか? これから何をして欲しいか」
姫野雅義 (吉野川)
天竜漁協 (天竜川)
つる祥子 (球磨川・川辺川)
三輪春男 (長良川)
2-2. 総合討論
2-2-1. 研究者 vs. 研究者
◆論点1. 研究者の「分」を巡って
「研究者は中立的な立場を守って客観的なデータを出すことに徹すべきだ」 vs.「現
状で「中立」はありえるのか? 旗幟を明らかにして発言を」
◆論点 2. 環境予測の蓋然性を巡って
科学的な判断にどのレベルの蓋然性まで求めるべきか
「どこまでわかったら研究者は発言すべきか」
◆論点 3. 国、自治体との関わり方を巡って
「国交通省は変わった、研究者も不毛の反対だけではなく対話を」 vs. 「何も変わ
っていない、新しいタイプの御用学者が重用されるだけ」
◆ 論点 4. 市民団体との関わり方を巡って
「これからの研究者は、積極的に関わっていかなければ」vs. 「一旦関わると後は
泥沼、二線級の研究者と年寄りがやるもの」
◆論点 5. 研究者→市民団体、市民団体→研究者 への注文
「これだけはやってくれ」、「これだけはやってくれるな」
■リバーポリシーネットワーク(RPN)
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